トランジスタースイッチ

電子スイッチとしてのトランジスターの動作を理解する。

トランジスター(transistor)

npn型トランジスタ
NPNトランジスタ
pnp型トランジスタ
PNPトランジスタ
電流はP(positive)型からN(negative)型へ流れる。

トランジスタのピン配置



2SC1815の場合
品名が印刷されている平らな面を手前にして、

右が ベース
真ん中が コレクタ
左が エミッタ

各電極のピン配置は、トランジスターによって異なるので、規格表等で 調べる必要がある。(右は2SD880の場合)



増幅作用

スイッチング作用


トランジスタスイッチと水道との類似

水道と蛇口に例えてみると、スイッチ動作を理解し易い。

蛇口の開閉(ベース電流)で、水道に水(エミッタ-コレクター間に流れる電流)を流したり(ON)止めたり(OFF)する。



















トランジスタスイッチの通常の使い方は、ベース電流IB のON/OFFで、コレクター電流ICのON/OFFを行う。     
 全開(Open) ON
 全閉(Close) OFF
(全開、全閉だけで、半開のような調節はしない!)

コレクター電流ICは抵抗Rの値で決め、ベース電流IB のON/OFFでICのON/OFFを行う。

様々なトランジスター

 

2SC1815のような小信号用トランジスタでは、コレクタ電流は100mA程度である。

より大きな電流を制御する為のパワートランジスターや、 高速にスイッチングを行う為の高周波トランジスター等の様々なトランジスターが開発されてきた。

電気的特性



小信号用の2SC1815と 電力増幅用の2SC880との電気的特性を比較すると、用途によるトランジスタ の性能の違いが判る。
項 目2SC1815  2SD880 
VCEO50 V60 V
IC150 mA3A
PC400 mW30W
hFE70〜70060〜300
fT80 MHz3 MHz

VCEO ベース(B)開放時にコレクタ(C)-エミッタ(E)間に掛けられる最大電圧。
IC最大コレクタ(C)電流。
PC 周囲温度(Ta)=25℃で連続して消費させることができる最大コレクタ(C)損失
(放熱器なし)
hFEエミッタ(E)接地での直流に対する電流増幅率。(IC÷IB)
fT 周波数をあげていくと電流増幅率が低下するが、ベース電流(IB)とコレクタ電流(IC)が
等しくなる周波数。
(直流増幅できなくなる周波数(トランジション周波数))



液晶ディスプレー(LCD)

携帯、PC、TV等の液晶画面

各画素(画面を構成してる最小単位)のON/OFFを薄膜トランジスター(TFT) のスイッチで制御している。


NPNトランジスターの仕組み

各部はそれぞれ「ベース電流を土台とし」「エミッタが放出した電子を」「コレクタが受け取る」という名前通りの働きをする。

(2007年6月7日 和田)