茨城支所 平成10年度の活動

1.講演会

1.1概要

(1)日時:平成10年7月3日(金) 15:00〜16:30
(2)場所:茨城大学 工学部 第一会議室
(3)演題:「新しい交通システムの考え方−高齢化社会向けへの変 革の必要性−」
(4)講師:東京大学工学系教授 工学博士 曽根悟 氏
(5)参加者:154名

ご講演中の曽根先生 熱心に講演を聴かれる参加者

1.2講演要旨

曽根先生は、交通システム工学ご専門の方で、人間生活と交通、現代文明社会の2大悲劇(自殺と交通事故)、急速な高齢化で何が求められているか、人に優しい交通システムとは、環境問題と交通システムの関係(土地の有効活用度は鉄道が一番)、鉄道活性化の必要性(自動車利用者の10%を鉄道に振り向けると、1200名の命が助かる)、電気工学者の役割、改善の方向(より大きく総合的なシステムへ)について、具体例をあげてお話された。

2.小中学生電気教室−産業応用部門活性化活動−

2.1概要

(1)日時:平成10年7月26日(日)13:00〜15:30
(2)場所:ひたちなか市文化会館
(3)参加者:107名(小学4〜中学2年生対象)、見学父兄 約15名
(5)参加料:300円/人
(4)スタッフ:30名(茨城支所委員10名、鉄道模型愛好者10名、学生アルバイト10名)

2.2内 容

(1)鉄道模型で楽しもう(実演)

鉄道模型愛好者に鉄道模型を持参、セットしてもらい、それを子供たちが操作(運転)して楽しんでもらった。

(2)炭で電気を起こしてみよう(実験)

・教材:「教えてボルタ先生」(科学技術広報財団発行)、 備長炭、アルミホイル、和紙、塩、電子メロデイ、モータ
・参加者全員に教材を提供。起こした電気で電子メロデイを鳴らす、モータを回す、強さを測る、繋いでみるなどの実験を行なった。

(3)ソーラーカー模型工作組立

・教材:ソーラーカー模型、太陽電池、単2電池
・参加者全員に教材提供。組立てて、太陽電池駆動、電池駆動、プロペラ駆動を楽しんだ。

2.3実施状況

今年度で3回目の試み。参加者は189名の応募者の中から抽選で決定。
身近にあるもので、電気が起こせることに子供達の関心が集まった。
当日はあいにくの曇空で、太陽電池で走らせることがほとんど出来なかったが、模型は全員組立完了して太陽電池とともに持帰ったので、自宅での楽しみを残した格好になった。

3.第6回研究発表会

3.1概要

(1)日時:平成10年11月13日(金) 10:00〜18:25
(2)場所:日立市日立シビックセンター
(3)内容:

@研究発表 計101件
・オーラルセッション:50件
・ポスターセッション:51件
A懇親会
(4)共催:電子情報通信学会
(5)参加者:280名。東京と山口の県外からも初めて参加あり。

3.2オーラルセッション 10:00〜15:00(会場:5階の会議室)

(1)発表分野別発表件数

◎ A会場(501室):産業応用・エネルギー 5件、送変電機器 3件、電力系統 9件
◎ B会場(502室):材料・デバイス 4件、回転機 5件、電力変換器 8件
◎ C会場(503室):制御・システム 8件、電磁気理論・計測・信号伝送 4件、放電・プラズマ・超伝導 4件

(2)各会場の参加者:min.10名、max.40名、平均30名。

A会場 B会場 C会場

3.3ポスターセッション 15:15〜16:45(会場:4階の多用途ホール)

(1)発表分野別発表件数

・材料・デバイス 10件 ・制御・システム 5件
・産業応用・エネルギー 7件 ・放電・プラズマ・超伝導 5件
・電磁気理論・計測・信号伝送 10件 ・電力系統 6件
・回転機・電力変換器 7件 ・送変電機器 1件

(2)昨年に引き続き、学生を対象に優秀な発表を表彰(発表賞)した。受賞者は次の通り。

・優秀賞:倉橋琢也(茨城大学大学院)「天然酵母パン種の発酵の磁界効果」
・奨励賞:柳岡淳(茨城大学大学院)「回転子側に共振回路をもつ巻線形誘導発電機の過渡特性」
・奨励賞:田口晃(茨城大学大学院)「高柔軟・高信頼電気エネルギー流通システムの最適系統構成」

天然酵母パン種の発酵の磁界効果 倉橋琢也 君 倉橋琢也 君の優秀賞受賞の感想
この度、発表賞をいただくことができとても光栄に思っております。  ポスターは本発表会を行った時期の秋にあわせ、秋空を背景に紅葉色である黄色やオレ ンジ色のも のを豊富に使用しました。結果として多少見ずらくなってしまいましたが、このポスター が、今後の 発表会をより活発にするようなトリガーになればと願っております。また、発表の場にお いては多く の方からご意見いただけたことをとても感謝しております。  最後にこの発表会に参加させていただけるまでにしていただいた小林正典教授をはじめ 関係者のみ なさまに感謝したいと思っております。

回転子側に共振回路をもつ巻線形誘導発電機の過渡特性 柳岡淳 君 柳岡淳 君の奨励賞受賞の感想
今回、このような賞に選ばれて、大変うれしく思っています。ポスター構成を何日もかけて考えた甲斐がありました。今回は、見た目の方をばかりを気にして、内容の方がいまいちだったので、次回参加する機会がある時は、見た目、内容とも充実させて発表したいと思います。

高柔軟・高信頼電気エネルギー流通システムの最適系統構成 田口晃 君 田口晃 君の奨励賞受賞の感想
本発表会では、たくさんの人に自分の研究内容を聞いていただき大変うれしく 思っております。ポスタセッションにおきまして、様々なディスカッションを通 して頂いたご指摘を、今後の研究にいかしていきたいと思います。

(3)状況:ポスターの出来と賑わいは、全国大会並みであった。特に学生の発表は、発表賞が設けられている関係もあって出来が良かった。また、PCや実物を使った意欲的な展示もあった。

3.4予稿集の販売

・予約販売数:174冊
・当日販売数: 12冊
・無償配布数: 19冊 計205冊

第6回茨城支所研究発表会プログラム

4.講演会(H10年度第2回)−産業応用部門活性化活動−

4.1概要

(1)日 時:平成10年11月27日(金)16:00〜17:30
(2)場 所:日立市日立シビックセンタ天球劇場(プラネタリウム ホール)
(3)演 題:「星の一生〜変光星とカオス」(プラネタリウムの上で星座を確かめながら)
(4)講演者:田中 靖夫 茨城大学 教育学部 教授
(5)参加料:無料
(6)参加者:89名(学会員以外も4割ほど参加)

4.2講演要旨

プラネタリウムでの今日の夜空と古代の夜空の様子、天文学者と物理学者、時間と空間の考え方と距離を測るハッブルの法則の説明、星の一生の振る舞いと変光星の発見、シミュレートするのにカオスが有効、ハッブル望遠鏡での新発見など、通常は考えていない話を伺えた。

日立シビックセンタ

受付、会員外の方も多数参加 講演会場、中央から左端の青い色のものがプラネタリウム

講演の一コマ 参加者の質問に笑顔でお答している田中先生

天球儀(科学館屋上) 講演を終えて夜空を見上げて帰る参加者の方々。中央奥のドームが天球劇場


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