電子スイッチとしてのトランジスターの動作を理解する。
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水道と蛇口に例えてみると、スイッチ動作を理解し易い。
蛇口の開閉(ベース電流)で、水道に水(エミッタ-コレクター間に流れる電流)を流したり(ON)止めたり(OFF)する。
コレクター電流ICは抵抗Rの値で決め、ベース電流IB
のON/OFFでICのON/OFFを行う。
2SC1815のような小信号用トランジスタでは、コレクタ電流は100mA程度である。
より大きな電流を制御する為のパワートランジスターや、
高速にスイッチングを行う為の高周波トランジスター等の様々なトランジスターが開発されてきた。
携帯、PC、TV等の液晶画面
各画素(画面を構成してる最小単位)のON/OFFを薄膜トランジスター(TFT)
のスイッチで制御している。
各部はそれぞれ「ベース電流を土台とし」「エミッタが放出した電子を」「コレクタが受け取る」という名前通りの働きをする。
(2007年6月7日 和田)
トランジスタスイッチの通常の使い方は、ベース電流IB
のON/OFFで、コレクター電流ICのON/OFFを行う。
(全開、全閉だけで、半開のような調節はしない!)
全開(Open) ON
全閉(Close) OFF
様々なトランジスター
電気的特性
小信号用の2SC1815と
電力増幅用の2SC880との電気的特性を比較すると、用途によるトランジスタ
の性能の違いが判る。
項 目 2SC1815 2SD880
VCEO 50 V 60 V
IC 150 mA 3A
PC 400 mW 30W
hFE 70〜700 60〜300
fT 80 MHz 3 MHz
VCEO :
ベース(B)開放時にコレクタ(C)-エミッタ(E)間に掛けられる最大電圧。
IC : 最大コレクタ(C)電流。
PC :
周囲温度(Ta)=25℃で連続して消費させることができる最大コレクタ(C)損失
(放熱器なし)
hFE : エミッタ(E)接地での直流に対する電流増幅率。(IC÷IB)
fT :
周波数をあげていくと電流増幅率が低下するが、ベース電流(IB)とコレクタ電流(IC)が
等しくなる周波数。
(直流増幅できなくなる周波数(トランジション周波数))
液晶ディスプレー(LCD)
NPNトランジスターの仕組み